椎間板脊椎炎、椎間板ヘルニアと脊椎亜脱臼の合併症について(Part2)

2015年11月19日

こんばんは^^

前回のブログ更新からいつの間にか1ヶ月以上が経過してしまいましたねm(-_-)m

この1ヶ月は他の病院に骨盤骨折整復手術のアドバイス&お手伝いに行ったり、勉強会に参加したり、多くの重症な患者さんが長期にわたって入院していたり…と多忙を極めておりました。

今回は<Part2>として、前回の続きをお話しすべく本ブログを書かせていただきます。

 

さて椎間板脊椎炎とそれに伴う椎間板ヘルニアと脊椎の亜脱臼についての治療編です

 

治療に当たったトラちゃんについてのおさらいですが、、、

椎間板に感染があり(=椎間板脊椎炎)、脊椎が溶けてしまっていて、その結果として脊椎の亜脱臼が起こりその不安定性から、椎間板ヘルニアまで合併していたという12歳のトイ・プードルさんでした。

この場合は、当然ながら内科的な治療では治る可能性は乏しいと思われます。

そこで手術計画を立てるのですが、亜脱臼を起こしていたので、

通常の椎間板ヘルニアのように手術をしてしまうと術後に脊椎の完全脱臼を起こしてしまい大変な結果を招くこととなります>_<

通常の椎間板ヘルニアの手術はというと、、、

片側椎弓切除術(ヘミラミネクトミー)といい、

脊椎をつなぎ合わせている真横にある関節突起という部分を破折して骨を整形外科用のドリルで削り取った上で、脊髄神経の下に飛び出た椎間板物質を摘出するというのがこの手術方法(下図①〜③)です。

IMG_20151115_0001

①ドリリング

②削り取ると脊髄神経が露出

IMG_20151115_0002

③神経を損傷しないように椎間板物質を慎重に摘出する

しかしながら、脊椎が亜脱臼をおこしていたために、「関節突起(下図)」という部分を取り除いてしまうことができません。

そこで今回行ったのが、小範囲片側椎弓切除術(ミニヘミラミネクトミー)という方法でした。

違いを下記にて図解します。

 

 

通常の手術方法

通常の手術方法(ヘミラミネクトミー)

今回の手術方法(ミニヘミラミネクトミー)

今回の手術方法(ミニヘミラミネクトミー)

どうですか、お分かりいただけたでしょうか? 😀 

この関節突起を残すことで脊椎の不安定性を、手術によって悪化させずにすみます。

しかしこの方法を採ることで術野はかなり小さくなり、神経の下から椎間板物質を摘出する難易度もグンと上がります。

でも今までの経験を生かして行ったことのない手術に今回は挑戦してみました!

繊細な手術の場合はシールドレープといって、皮膚上にいる細菌が術部に入らないようなものを貼付けます。

繊細な手術の場合は皮膚にいる細菌が術部に入らないように、シールドレープというものを貼付けます。

脊椎をドリルにて削っているところです。

脊椎をドリルにて削っているところです。

椎間板に針を穿刺して、細菌の有無を確認するために採材をしているところです。結果は治療の甲斐あって陰性でした。

椎間板に針を穿刺して、細菌の有無を確認するために採材をしているところです。結果は治療の甲斐あって陰性でした。

温存した関節突起と、削った部分はしっかりと脊髄神経が見えています。この脊髄神経を傷つけることなく下に細い器具を入れて椎間板物質を取り除きます。

温存した関節突起と、削った部分はしっかりと脊髄神経が見えています。この脊髄神経を傷つけることなく下に細い器具を入れて椎間板物質を取り除きます。

摘出した椎間板物質です。かなりの量でした。

摘出した椎間板物質です。かなりの量でした。

さ〜〜〜て、これで歩いてくれるようになると良いなと神頼みします(笑)

と言っても、神頼みだけでは病院の役割は…?になってしまうので、

ここからは病院としての腕の見せどころです。

特に看護師たちが頑張るところなのですが、そうです、『リハビリ』です。

温水浴にて水泳リハビリをしているところです。

温水浴にて水泳リハビリをしているところです。

温水浴にて水泳リハビリをしているところです。

温水浴にて水泳リハビリをしているところです。

術後2ヶ月にて立っています!

術後2ヶ月にて立っています!

まだ筋力は足りない様子ですが、なんと!!!(詳しくは動画にて↑)

 

という訳で、飼い主様も大変満足されて、こちらもにっこり笑顔でした

また今後もこのような難しい病気でも可能な範囲でしっかりと治療をしていこうと考えておりますので、小幡緑地どうぶつ病院をどうぞよろしくお願いいたします。